「私の翻訳ターゲット言語の鍛え方」 ハースィ・マンディ

mandihaase_e

大学で日本語を勉強したことはまったくありません。今回、バベル翻訳大学院に入学させていただいて、初めて正式に日本語で勉強ができて、光栄です。日本語に初めて触れてから10年たった今、最初の文法の基本や語彙を習い始めたときを振り返ってみると、効率が大変悪かったなと苦笑せざるを得ませんが、根性が私を押し進めてくれたのだと思います。さて、現在、自分の言語能力を鍛えるために、どんな工夫や学習方法を使っているかというと、一言でいえば、毎日の積み重ねに尽きます。

 私の希望は、日本語と英語の両方に訳せるようになることです。その場合、両言語の能力を鍛えないと良い翻訳は難しいです。自分の母国語の学習に関しては、とにかく様々な優れた文章を読むようにしており、読んだ情報は割と簡単に頭に入ります。しかし、日本語の場合はそう簡単にいきません。母国語では、わからない語彙がいくつかでてきたとしても、だいたいの文法が文章の構造は理解できています。

 しかし日本語の文章の場合は、まず文法や文章の作りを理解する段階から始めないといけません。残念ながら、日本語の語学力を高める特効薬はありませんが、誰にでもできる方法はあります。その方法とは、「反復学習」以外にありません。その代わり、努力すれば必ず報いられます。勉強したら、それだけ進歩するのです。

 まず、自分にとって、一番効率よく勉強できる時間を見極めると、効果的に成果を上げることが出来るように思います。私の場合、早朝が勉強に一番適しています。子供が三人もいますので、7時半をすぎると家の中がやかましい幼稚園のごとくになります。早朝だけは自分の時間です。その貴重な時間は短いですが、短時間でも有意義な学習はできます。特にターゲット言語を習うとき、このような工夫が必要だと自分の経験から言えます。集中力が一番要る勉強とそうではないものを区別して学習につとめると、より良い結果が出ると感じます。

 ターゲット言語を鍛えるとき、次に意識することは、その言語を自分のものにするということです。文章を読んだり、ニュースを聞いたりなどする時は、情報を吸い込むスポンジになったイメージで、できるだけ読んだものを吸収するように努めています。このように学ぶにあたって、インターネットが非常に役に立ちます。例えば、ニュースをインターネットで聞きながら文章も読めるので、聞く、読む練習が一度に出来て一石二鳥。分からない語彙があればすぐさま調べます。

 電子辞書をよく利用しますが、辞書だけで語彙の使い方が分からない時もあります。わからない語彙をインターネットで検索すると例文がいくらでも出てきますので、私にとっては欠かせない勉強ツールです。私は視覚的に言語を学ぶタイプなので、読んだものをできるだけノートに書き留めます。午後になると、朝書いた語彙や文を最低3回は声に出して読み返して、覚えるように。どこかの本で読みましたが、3回ぐらい声に出して言葉を言うと、その語彙は身に付くらしいです。

 声を出して本を読むのも大変有効な学習法です。私は、子供たちとよく日本語の本を読みますし、一人でも声に出して読みます。子供たちと読むと、わからない語彙に出会えば子供たちはすぐ「それはどういう意味?」と聞きます。語彙を説明するとよりいっそう語彙の理解が深まり、語彙の数も増えます。声に出して本を読むと、その言語を身近に感じることもできます。声に出すことは、聞き取り能力も身につけるためのいい方法です。

 言語を学ぶために、様々なスタイルの文章を読むのが大切です。ニュースを読むと割と固い言い方が理解できるし、小説などを読むと、華やかな書き方にも出会えます。雑誌などは現代はやっている言い回しを学ぶのに大変役に立ちます。後は、興味のあるテーマについてインターネットで調べます。どんなテーマでも、ある程度日本語で説明できるように、その日、英語で話したことをインターネットで日本語で調べます。

 どの文章を読む時も、二つのやり方を交代で用います。まず、できるだけ早く読むことです(速読)。正直言いまして、これが大の苦手で、すぐ分からない言葉を調べたくなり、スピードがなかなか上がりませんが、一応、毎日練習するようにがんばっています。次に、前述したように、声に出して、はっきりと読むことです。こうすると、読んだ文章はよく頭に残ります。

 後は、短いときもありますが、毎日日記をつけています。その日おこったことを振り返って、自分の言葉で書くのが大事だと考えるからです。そのとき、ターゲット言語で言い方がわからない場合、インターネットで調べたりして、そのまま日記に書き写します。日記は頭に入っている情報を実際に「出す」、大切な手段の一つです。吸収したものを使わなければ、どうしても自分のものにならないと、初心者ながらも感じます。

 まだできていないけれど、これから力を入れたいこともいくつかあります。まず、日本語の文法が未だにしっかり身に付いていません。言語を学ぶとき、文法が命だ思い、文法をしっかり使いこなせないと、良い文章はなかなか書けません。

 次に、わからないことを、恥ずかしがらずにどんどん聞くことです。そして、間違えから学んでいくのです。やっと自分の書きたいこと、言いたいことが通じた時の喜びは言葉に表せないほど大きいです。プライドをある程度捨てて、わからない言葉について聞くと、言語の進歩は早いです。