ISO17100(翻訳の国際規格)4月24日に発行!!翻訳者の資格、そして翻訳プロジェクト・マネージャーの資格が問われる時代に突入!!!

米国翻訳専門職大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

翻訳の世界基準ISO17100が去る4月24日に発行されました。

本稿では、ISO17100
とバベル翻訳大学院(USA)が受験を推奨している「翻訳プロジェクト・マネージャー資格基礎試験」(一般社団法人日本翻訳協会主催)との関係を整理させていただきます。

ISO(国際標準化機構、本部ジュネーブ)とは、様々な国際技術規格を世界標準とすべく、規格を策定、世界に普及させようとしている団体です。 このなかに、TC(Technical Committee)37という言語、内容及び情報資産の標準化をめざす専門委員会が設置されています。その下にはいくつものSC(Sub Committee)が設置されています。このISO17100もこの中で検討され、4月24日に翻訳の国際規格、ISO17100( Requirements for Translation Services)として発行されました。

この業界で長い方はご承知かと思いますが、ISO9001という品質マネージメント規格は、ローカリゼーション翻訳の世界では、国際規格として採用され、翻訳会社( Translation Service Provider) によってはこの認証を取得して、クライアントにたいする営業のブランド力として活用していました。しかし、その後、これは翻訳の業界にはそぐわないとして欧州規格EN15038が創られ、これが次第に欧州各国に浸透するようになりました。
そこでISOはこのEN15038をベースとして、ISO17100の開発に踏み切ったという訳です。

このISO17100を順守することは翻訳者、翻訳会社として必須の条件ではありませんが、一つの目安となります。また、‘翻訳のプロフェショナリズム’の確立という意味でも大事な視点を含んでいます。

まず注目すべきは、このISO17100は翻訳会社のみならず、翻訳者、チェッカー、クライアント、その他のステークホールダーを巻き込んだ規格であるということです。

また、この規格では翻訳者の資格(Qualification of Translators)、そしてチェッカー、リバイザー、レビューアーの資格を明確にしようとしていることです。すなわち、翻訳者、翻訳関係者を社会的に認知させるという視点もベースにもっているということです。

翻訳者の資格(Qualification of Translators)には、
(1) 翻訳の学位(大卒資格)
 *日本には翻訳の学士号さえありません。
  バベル翻訳大学院で授与されるのは米国の翻訳修士号です。

(2) 翻訳以外の学位(大卒資格)+実務経験2年
 *経験の基準があいまいなままです。
(3) 実務経験5年
 *経験の基準があいまいなままです。
( 政府認定の資格を有する) 
 *これは最終段階ではずれましたが、資格の重要性を指摘しています。

のいずれかが必要と謳っています。

また、翻訳プロセスについても
Translate
⇒ Check
⇒ Revise
⇒ Review
⇒ Proofread
⇒ Final Verification
とその品質確保の要求プロセスを規定しています。
*Reviewはオプション

これらの要求項目は、まさに業界とそれを取り巻くクライアント、エンドユーザーが一体とならないと達成できないことです。翻訳の品質を一定に保つためにはこれらの視点、プロセスが必要であることをクライアントが納得していただけなければならないわけで、それがなければ翻訳業界の発展も見込めないわけです。

ここで本題に入りますと、30余年の歴史を経た日本翻訳協会では、翻訳者、翻訳プロフェショナルの能力評価として様々な検定試験を実施してまいりました。

●翻訳専門職資格試験(日英・英日、中日・日中、独日、仏日)
●翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験 
●ビジネス翻訳能力認定試験
   ・ IR / 金融翻訳能力検定試験
   ・ リーガル翻訳能力検定試験
   ・ 医学 / 薬学翻訳能力検定試験
   ・ 特許翻訳能力検定試験
●出版翻訳能力認定試験
   ・シノプシス検定試験
・絵本翻訳能力検定試験 
   ・ヤングアダルト・児童書翻訳能力検定試験
   ・エンターテインメント小説翻訳能力検定試験
   ・ロマンス翻訳能力検定試験
   ・スピリチュアル翻訳能力検定試験
   ・一般教養書(ビジネス関連)翻訳能力検定試験
   ・一般教養書(サイエンス関連)翻訳能力検定試験

ここで、今回、ISO17100に寄せて特にご紹介したいのは、『JTA公認 翻訳プロジェクト・マネージャー資格基礎試験』です。

本試験では、4肢択一方式で以下の6つの分野の翻訳プロジェクトマネージャーとしての管理能力を審査、認定する試験を実施しています。

      1.時間管理(TIME MANAGEMENT)
      2.人材管理 (PERSONNEL MANAGEMENT)
      3.資源管理 (DATA & RESOURCES MANAGEMENT)
      4.コスト管理 (COST MANAGEMENT)
      5.顧客管理 (CLIENT MANAGEMENT)
      6.コンプライアンス管理 (COMPLIANCE MANAGEMENT)


ご承知のように、限られた時間内に大量の翻訳データの処理を要求される時代においては、複数の翻訳者、チェッカー等を束ねて、翻訳プロジェクトを結成して翻訳を進めるのはビジネス分野の翻訳に限らず、出版翻訳においても当然のプロセスとなります。

更に言えば、翻訳会社(Translation Service Provider)そのものが翻訳プロジェクトそのものであるといっても過言ではありません。

すなわち、翻訳会社(Translation Service Provider)とは
      1.時間管理(TIME MANAGEMENT)
      2.人材管理 (PERSONNEL MANAGEMENT)
      3.資源管理 (DATA & RESOURCES MANAGEMENT)
      4.コスト管理 (COST MANAGEMENT)
      5.顧客管理 (CLIENT MANAGEMENT)
      6.コンプライアンス管理 (COMPLIANCE MANAGEMENT)
のベストプラクティスをめざすビジネス組織体であると言っても過言ではありません。

従って、本題のISO17100と『JTA公認 翻訳プロジェクト・マネージャー資格基礎試験』の関係を整理してみるとこうなります。

以下の分析データをご覧下さい。以下のような比較分析ができます。(多少の誤差はあるかもしれません)

1.ISO17100の規格がカバーしている翻訳プロジェクトマネージメント (「翻訳プロジェクト・マネージャー資格基礎試験」)の範囲

      ①時間管理 75%
      ②人材管理 90%
      ③資源管理 80%
      ④コスト管理15%
      ⑤顧客管理 50% 
      ⑥コンプライアンス管理 20%

2.ISO17100の前の段階ISO11669の規格がカバーしている翻訳プロジェクトマネージメント(「翻訳プロジェクト・マネージャー資格基礎試験」)の範囲

      ①時間管理 70%
      ②人材管理 60%
      ③資源管理 80%
      ④コスト管理50%
      ⑤顧客管理 80% 
      ⑥コンプライアンス管理 30%

ここで言いたいことは、上記の分析で明らかなように、ISO17100は、コスト管理、顧客管理、コンプライアンス管理を重視していない、すなわち、あくまでも翻訳工程管理の規格であり、必ずしも、翻訳ビジネスそれ自体の標準化を含んだ規格ではない、ということです。

その点、日本翻訳協会の翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験は、
      翻訳のQuality Standard
      翻訳のBusiness Standard
をカバーした翻訳ビジネスの全体をカバーした資格認定試験であるということです。

日本の翻訳会社のベストプラクティスは世界のどの翻訳会社も追従できないレベルと確信しています。このことを世界に認知させるためにも、多くの翻訳者、翻訳会社の方々が本試験を受験されて、共に、翻訳プロジェクトマネージメントの世界基準を構築したいと考えています。

次回の「翻訳プロジェクト・マネージャー資格基礎試験」は7月11日実施です。

また、待望の「翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験」の上級試験(ケーススタディ方式)が今年9月12日に実施が予定されています。
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm_2.html

バベルの院生、修了生は人数の限定がありますが、特待価格で受験できます。
お早めにお申し込みください。

以上

– 副学長から聞く - 翻訳専門職大学院で翻訳キャリアを創る方法

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